レーザー切断効果に対するガス圧力の影響
前回の記事ではでは、ガス純度がレーザー切断結果に与える影響について紹介しました。同様に、ガス圧力もレーザー切断において重要な役割を果たします。ガス圧力を調整すると、切断速度、品質、プロセスの安定性に大きな影響を与える可能性があります。
1. 切断速度
高圧切断:通常、薄板材料の切断には高いガス圧が使用されます。このとき、ガスにより溶融材料が切断面から素早く吹き飛ばされ、スラグの付着が軽減され、切断速度が向上します。より高い切断効率を達成するために、薄いシート材料を切断する場合には、高圧窒素または空気がよく使用されます。
低圧切断: 厚い材料の場合、またはより高い切断品質が必要な場合は、通常、より低いガス圧力が使用されます。圧力を下げるとスラグの飛散を避け、刃先の粗さを減らすことができますが、その分切削速度が低下します。
2. カット品質
高圧ガス: 高圧ガスは切断領域の溶融材料をより効果的に除去し、きれいで滑らかな切断を保証します。窒素を使用してステンレス鋼を切断する場合、高圧窒素によって酸化が防止され、切断面に酸化層やスラグがなくなり、切断面の品質が向上します。
低圧ガス: 低圧ガスでは、溶融した材料の除去が不完全になり、特に厚い材料を切断する場合、切断端にスラグやバリが形成されることがあります。
3. 切削安定性
圧力が高すぎる:ガス圧力が高すぎると、切断が不安定になる可能性があります。特に薄い材料を切断する場合、過度の空気流はレーザー光線と材料の間の相互作用を妨げ、切断端の焼けや変形を引き起こし、切断の精度と品質に影響を与えます。
圧力が低すぎる: ガス圧力が不十分な場合、溶融した材料が時間内に吹き飛ばされず、不完全な切断により切開部にスラグが蓄積し、切断品質に重大な影響を及ぼし、二次加工が必要になる場合もあります。